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マラソンランナーが目指す一番多い目標タイム、サブ4(4時間切り)の練習方法についてです。
2019年7月号「ランナーズ」が発表したマラソンの平均タイムは、男性が4時間37分、女性が5時間06分ほどなので、やはりサブ4をターゲットにするランナーが多くなります。
サブ4の練習方法は?
サブ4までは、10kmを早めのペースで週2回走る、又は、ハーフマラソンに何度か参加する、などで達成してしまう男性もいますが、女性でサブ4を達成できるのは上位12.1%しかいませんので、そのような練習方法では難しいかもしれません。サブ4への王道は、VDOT(ヴイドットと読む)と呼ばれる練習方法を実施するのが最短ルートです。
5km走のVDOTを知る
一日も早くサブ4を達成したい方は、まず5kmを全力で走りそのタイムを把握します。走る場所は、出来るだけ平坦なところ(400mトラックが理想ですが)で行います。私は野球場の回り(1周550mほど)をグルグル走って代用しています。
そして、次のVDOT一覧表であなたの5kmのタイムとほぼ合致するところを見つけて下さい。
VDOT一覧表
5km、10km、ハーフ、30km、フル、Eペース、Mペース、Tペース、Iペース、RペースのVDOT一覧表を掲載します。本来のVDOT表には、「30km」のVDOTタイムが掲載されていないので、私が計算して一覧表に追加してあります。
サブ4に必要なVDOTは「39」ですが、あなたの5km走のタイムは何分でしたか?そのタイムのVDOTはいくつになってますか?
もしも10kmとかハーフとかの記録をお持ちの方は、一番VDOTが良いものがあなたの現在のVDOTです。サブ3.5の練習法はこちら

※ E=イージーペース、M=マラソンペース、T=閾値ペース、I=インターバルペース、R=レペティションペース。E・M・T・Iは、1kmのペース、Rは400mのペース
この中でサブ4を達成するために大切な練習方法は、EペースとTペースの2つです。Eペースとは練習の基本となるスピードで、息が上がらず楽に走れるスピードです。
Tペース(閾値ペース)の基本は20分走行です。怪我をしにくい速度でありながら、走行能力(持久力とスピード)をアップ出来るスピードです。スピード感としては、出来れば走行を止めたいと感じるスピードです。
サブ4を達成するには、単発の良い練習が出来てもダメです。怪我をせずに継続できる練習そして効率よく走力を身に付けられる練習方法が必要です。その基本となるのが「Eペース」と「Tペース」の2つなのです。
サブ4(VDOT39)具体的な(例)
VDOT一覧表をもう一度ご覧いただくと、サブ4を達成するには、VDOT39が必要で、「ハーフを1:53’24″」「30kmを2:44’20″」と書いてあります。で、いきなり「目指せ!ハーフ 1:53’24″」と繰り返すと必ず足を痛めます。まずはあなたの現在のVDOTの数値にある「Eペース」と「Tペース」の走行練習を毎週繰り返します。
(例)VDOT35の方は、週2回の練習。日曜日:Eペース(1kmあたり7’01″)で15km~30km、水or木曜日:Tペース(1kmあたり5’40″)で20分走行。(VDOT35の方だと走行距離は4km前後)
そしてVDOT35の方は、そのままではフルマラソン4:16’03″の予想になってますので、目標にしてる大会までにVDOT39を目指すことになります。その場合に役立つのが10kmやハーフの大会です。
やはり回りに競争相手がいると、アドレナリンが分泌されて記録が出たり、大会の雰囲気を肌で感じる事が出来ます。まして30kmの場合は、一人で走るにはかなりの精神力が必要です。
練習を始めて間もない内は大会をうまく入れながら、VDOTの数値を伸ばしていくように頑張りましょう。もちろんVDOTが伸びてきたら、その数値に合わせたEペースとTペースで練習を行って下さいね。
そして最終的には、大会3週間前に30km走を実施して、2:44’20″を出せばかなりの確率でサブ4は達成可能です。もしも2:48’00″ほどでも、大会までの3週間で疲労回復や体調を整えられれば、4時間切れるかもしれません。
まとめ
サブ4(4時間切り)を初マラソンで達成してしまう方もいらっしゃいますが、2018年度の日本陸連公認の80大会のマラソン平均タイムは、男性4時間37分ほど、女性は5時間6分ほどなので、やはりサブ4は男女問わず一番の目標となる完走タイムです。サブ4を達成するための王道は「VDOT」を利用した練習方法であり、効率的に走力を伸ばせ、怪我をせずに練習を継続できるサブ4への最短ルートとなります。(怪我するとまた始めからになるからです)
「継続は力なり」と言いますが、走力にも当てはまり、2~3回の最高の練習が出来ても意味がないのです。怪我をせずに練習を継続出来てこそ、大きな走力アップ、そしてサブ4やサブ3.5の達成感を味わう事が出来るようになるです。
VDOTの使い方を理解して、サブ4へ向かって練習して頂ければ幸いです。